シュネーオイレSchneeule

Schneeeuleのオーナーブルワー「Ulrike Genz(ウルリケ・ゲンツ)」は、2012年にベルリン工科大学にて醸造学研究中に初めて“リアル”なベルリナーヴァイセをVLB(ベルリン醸造調査教育研究所)によって醸造されたものによって試飲しました。
“リアル”なベルリナーヴァイセとは?
1700年代当時のベルリンでは、ワインの醸造が盛んにおこなわれていました。残念ながら、ベルリンのワイン品質ではいわゆる「シャンパン」の生産には適さなかったため、小麦麦芽を使用して乳酸発酵されたWeisseをワインと同様に野生酵母株(ブレタノマイセス)を利用した瓶内発酵を盛んに行ってました。
「小麦のシャンパン」「リースリングヴァイセ」と形容されてました。
ここに当時のハンザ同盟時にハンブルクを中心として世界中に知れ渡る事となったホップブリューイングを取り入れて、このホップの抗菌作用効果によって一定のところで乳酸菌の増殖を止める事知ります。乳酸由来の酸味は適度に残り、「爽やか」「淡く澄んで美味しい」とかじられたという事です。

18世紀半ばから19世紀にかけて起こった一連の「産業革命」による、冷蔵技術の確立と共に、「Lager」の生産は1年中可能となりました。デリケートなブレンドやボトル内での発酵などが省略され、コストも低く簡単に醸造がされたため、そのLagerは安く販売され人気が高まっていきました。
さらに、第一次世界大戦まで食糧確保という名目による、ビール税の増税と戦争中原材料の大幅なコスト高により、“リアル”なベルリナーヴァイセは衰退を余儀なくされました。
19世紀半ばからはこれらの様々な要因が原因となり、ベルリナーヴァイセに質は益々低下していったと言います。
ベルリンの都市の急成長と共に多くのブルワリーは多売を考え、品質や大切なプロセスを無視して、一度に大量生産していた可能性もあります。都市成長によって大切な様々な文化が汚染されていったのです。
20世紀に入るとビールに対する課税は益々増加し、プロセスや品質を大切にしてきた小規模醸造所はもはや経済的に疲弊し、閉鎖や大手競合他社に買収されるようになってしまいました。

第二次世界大戦後から存在し、60年以上の長い間ボトルのまま放置されていたベルリナーヴァイセの瓶内から、ブレタノマイセス株の野生酵母を搾取することに成功して、その酵母株を培養。様々なプロセスを経て、手間と時間を惜しまず醸された“リアル”なベルリナーヴァイセ
の復興を遂げました!!それは限りなく近づいた”オリジナルベルリナーヴァイセ“ボトルやケグ内で2次発酵が優しく永続的に行われ、実質無制限な貯蔵寿命。これら歴史や技術を学んできたUlrike Genzは、現代のクラフトビールの魂や情熱にも敬意を表しています。
オリジナルベルリナーヴァイセに、ベルリンに咲き誇る多種の花や、生姜・唐辛子などの芳香性原材料を使用する事や、多種のホップによるドライホッピングやコールドホッピングへのチャレンジ、他ブルワリーとのコラボレーションブリューなどを行う事により、“リアル”なベルリナーヴァイセに、モダンで自由な「ひねり」を入れる事へもチャレンジしていきます。